こんにちは、Ushi(@OredokuUshi)です。
みなさんはショパンコンクールというものを知っていますか?
私の母親が毎回優勝者のコンサートに行っていたので、ショパンコンクールの存在自体は知っていました。
なので、「前回の優勝者の韓国人(チョ・ソンジン)がー」とか、「ブレハッチがー」とか「ブーニンがー」と母親がよく話していたので優勝者の名前だけはよく知っていました。
しかし、コンクール自体をちゃんと聴いたことはありませんでした。
今回、日本人がたくさん出場してることもあり、満を辞して、聴いてみようと思いました。
全部の演奏は聞けていませんが、ファイナリストを軸に一次予選から本選まで視聴しました。
試聴した時間は、土日の休みを丸二日(30時間ほど)費やしました。
こちらの記事は、素人がショパンの響きとコンクールの世界に浸ってみた感想になります。
ショパンコンクールとは
概要
ショパン国際ピアノコンクール(英:International Chopin Piano Competition)は、1927年に第1回が開催され、1955年の第5回大会からは5年に1度の頻度で開催されています。
2020年に開催予定だった第18回は、新型コロナの影響で1年延期され、今月(2021年10月)に実施されました。
開催場所は、ポーランドの首都ワルシャワです。
開催時期の10月のポーランドの季節は冬に入る頃で、最低気温4度、最高気温13度で寒いらしいです。
特徴
毎年ルールがより良いコンクールのために変更されるようですが、現状以下のような特徴があります。
ショパンコンクールの特徴
- 年齢制限あり(16歳以上、30歳以下)
- 演奏の曲目がすべてショパンの作品
- 基本的に課題曲から選ぶが、曲順や構成は自由
- ピアノが複数のうちから選択可能(現在はYAMAHA, KAWAI, STEINWAY&SONS, FAZIOLI)
- 本選(ファイナル)はピアノ協奏曲(コンチェルト)
- 開催期間は予選からだとひと月程度かかる
- 一次予選は90人前後で、そこから半分ずつになっていく
- ファイナリストは10名前後
ショパンコンクールを聞いてみた感想
1次予選から鳥肌
出場者の皆さんうますぎです。1次予選の1人目で既に泣きそうになりました。
予選が進んでいくとさらに洗練されていき、幻想的で叙情的な音楽の数々でした。
調べるとショパンは、1810年に生まれ(諸説あり)、1849年に39歳の若さで亡くなっているではありませんか。
200年前と聞くと、とても昔のように感じられますが、たったの200年前とも受け取れます。
1800年代の日本は江戸時代なので、その時代に実在した人物なのかと思うとすごく考え深いです。
もし、ショパンが80歳ごろまで生きたとすると、どれだけの名作を生み出していたのか...
ショパンコンクールがひとつじゃ足りないか、開催期間が3倍ぐらいかかりそうですね笑
映像は4Kで綺麗
動画を見ればわかりますが、映像が4K対応していてとても綺麗なんですよね。
また、「Fire TV Stick 4K」が大活躍しました笑
あとはご家庭でどれだけ良い音響環境を整えられるかですね。
会場の雰囲気を再現したいところですが、せめて携帯とかじゃなくて、いいスピーカー、またはヘッドフォンで視聴をオススメします。
出場者たちは一体どれだけの準備をしてきたのか!?
出場者たちは、このショパンコンクールのために一体どれだけの準備をしてきたのか?
少なくとも1-2年前からはこのコンクールにむけて準備してきたに違いありません。
ショパンコンクールの採点は他のコンクールと少し違うと言われてるそうです。
いかに感動するいい演奏をしたかよりも、いかにショパニストかどうか、つまりショパンの生きてきた背景などを考え、どういう気持ちで曲を作ったのかを自分に落とし込んで表現することが大事らしいです。
今年はコロナの影響で1年延期されているので、もしかしたら丸3年もショパンについてひたすらに考えていたかもしれません。
しかも、お金のためじゃないってのがポイントだと思います。
自分は、
皆さんは、どれだけひとつのことを真剣に向き合ってこられましたか?
と問われているような気がして、とても背筋が伸びるような思いです。
その苦労や葛藤を考えると、私たちの悩みなんて些細なものに思えました。
聴きながら解説が欲しくなる
「のだめカンタービレ」のちあき様のように、「あ、はねた!とかタッチが優しい」とかとか、プロの解説付きで演奏を聴きたいと思いました。
素人の自分は全員ただ上手いとかしかわからず、何がその人の個性なのか、どういうイメージを持って演奏してるだろうとかとても気になりました。
ピアノの違い
個人的にピアノの違いの印象は以下のような感じに聞こえました。
ピアノの個人的な印象
- Steinway&Sons:甘く包まれるような柔らかい響き
- Kawai Shigeru:素直で優等生な印象
- Fazioli:特に高音が1粒1粒きらびやかで素敵
また、演奏者は何を重視してそのピアノを選んだのかが気になりました。
演奏まとめ
受賞者
1位: ブルース・リウ (カナダ)
使用ピアノ: Fazioli F278
スタンディングオベーションで演奏の良さがわかる。私にはみんなうまく聞こえます。高音が粒が立って綺麗。
2位(同率): 反田恭平 (日本)
使用ピアノ: Steinway & Sons 479
甘い、甘い響き。貫禄が既に巨匠、いやマエストロ。そしてSAMURAI。
2位(同率): アレクサンデル・ガジェヴ(イタリア・スロベニア)
使用ピアノ: Kawai Shigeru EX
Kawaiの音がとてもマッチしている。とてもクリアでKawaiすごいと思えた。
3位: マルティン・ガルシア・ガルシア(スペイン)
使用ピアノ: Fazioli F278
演奏中たまにおっさんのノイズが混じると思いますが、彼の鼻歌です笑
歌っちゃうガルシアくんかわいい笑 ガルガル尊い。
副賞
コンチェルト賞: マルティン・ガルシア・ガルシア(スペイン)
使用ピアノ: Fazioli F278
ソナタ賞: アレクサンデル・ガジェヴ(イタリア・スロベニア)
使用ピアノ: Kawai Shigeru EX
このソナタを聴けただけでもこのコンクールを聴いた意味がありました。
Sonata b-moll op. 35 / Sonata in B flat minor, Op. 35
ピアノソナタ第2番「葬送」
第1楽章: Grave. Doppio movimento
第2楽章(スケルツォ): Scherzo. Molto vivace
第3楽章(葬送行進曲): Marche funèbre
第4楽章(フィナーレ): Finale
マズルカ賞: ヤクブ・クシュリク(ポーランド)
使用ピアノ: Steinway & Sons 479
日本人出場者
角野隼斗
使用ピアノ: Steinway & Sons 300
小林愛実
使用ピアノ: Steinway & Sons 479
古海行子
使用ピアノ: Steinway & Sons 479
進藤実優
使用ピアノ: Steinway & Sons 479
京増修史
使用ピアノ: YAMAHA CFX
沢田蒼梧
使用ピアノ:Kawai Shigeru EX
牛田智大
使用ピアノ:YAMAHA CFX
竹田理琴乃
使用ピアノ:Steinway & Sons 300
原沙綾
使用ピアノ:Steinway & Sons 479
五十嵐薫子
使用ピアノ:Steinway & Sons 479
今井理子
使用ピアノ:Steinway & Sons 300
伊藤順一
使用ピアノ:Fazioli F278
岩井亜咲
使用ピアノ:Steinway & Sons 3000
特に気に入った曲
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
全編を通して特に筆者が好きになった曲を紹介します。
ショパンのポロネーズは、「軍隊ポロネーズ」、「幻想ポロネーズ」、「英雄ポロネーズ」の三大ポロネーズが有名なのでこの3つは聞いたことがありました。
この「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」は初めて聴きましたがおすすめです。
長くなりそうなので別記事にまとめてます。
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ショパンコンクールで好きになった大ポロネーズ演奏まとめ
続きを見る
まとめ
今回2日間ぶっ通しで聞いたので、とても充実しましたが疲れました笑
次回開催は2025年(予定)なので、4年後ですね。
それまでに自分のピアノの技術を上げ、ショパンの曲がもっと聴き分けられるように精進していきます。
次回は毎週少しずつリアルタイムの視聴をします。楽しみが増えました!
エチュードとノクターンの楽譜は持ってましたが、今回のコンクールを聞いてマズルカとポロネーズ
の楽譜買ってしまいました笑
このルービンシュタインのCDが聴きたい。
ではまた。